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独自のカリキュラム

歯科医学修得 6年間のステップ

第1学年 歯科医師を志す者として自覚や興味を促す

1年次では教養教育と、医療従事者として必須なコミュニケーション能力や豊かな人間性を育む導入教育を編成し、歯科医学修得の準備を目標としています。

「入門歯科医学」でモチベーションアップ

授業は、医療人としての良識をもち、将来のライフプランを触発する授業が多くあります。
教養科目が中心ですが、「入門歯科医学」は実習を取り入れた本学独自のプログラム。講義では、歯科医師をめざす者としても心構えや新しい時代を見据えた歯科医学についての知識を習得します。初年次に歯科医学の特徴や歯科医療の流れを知ることで、今後の学習の参考になります。実習では、歯科医師の手技に関わる基本的な処置や技工操作を学びます。また、ボランティア実習として大学の近くの特別養護施設を訪問して、お年寄りたちと触れ合い、コミュニケーションの大切さ、食事、口腔ケアの大切さを知る早期臨床体験実習も行われます。

専門基礎科目の自学自習の習慣を習得する

解剖学実習

2018年度に新設された「解剖学入門」では、医学・歯科医学の基礎となる解剖学に対し興味を抱き、より深く理解できるよう序論からスタートします。系統解剖学(消化器系・呼吸器系など)、局所解剖学(口腔)、人体発生学、歯の解剖学などの内容に沿って、まずはその全体像や概要を習得します。また頭蓋骨標本模型を購入し、自学自習に活用できるようにしています。さらに、従来第2学年で開講していた「解剖学」および「解剖学入門実習」を第1学年後期にも配置しました。

理科系科目の基礎力充実

高校での未履修科目などの状況にも対応するため理科系科目(基礎化学、細胞生物学、人体生物学)を開講し基本知識の習得に力を入れています。

情報収集力と問題解決能力の育成

歯科医師は、変化していく医学情報を把握して、論理的に解決法を考え医療を行うことが重要になります。
「情報リテラシー」ではコンピュータ操作の基本をはじめ、さまざまなデータベースから情報を的確に収集する能力を身につけます。
「オープンセミナー」では、学生自らが学習テーマを積極的に追究して発表することで、問題解決能力を高め、自学自習の態度を引き出します。

[第1学年 履修科目]
入門歯科医学 生命科学入門Ⅰ 生命科学入門Ⅱ 入門歯科医学実習 人体機能学 環境学・国際文化学 体育 情報リテラシー 口腔科学入門 解剖学入門 解剖学Ⅰ 言語表現(英語)Ⅰ 言語表現(英語)Ⅱ 解剖学入門実習 基礎化学 天然物有機化学 バイオマテリアル入門 健康管理学 スポーツ生理学 細胞生物学 人体生物学 オープンセミナーⅠ オープンセミナーⅡ   

第2学年 基礎歯科医学を修得する

医学を知りヒトを識る

教養教育科目の「化学実験」「生物学実験」「分子生物学」では、これから専門教育科目を学んでいくための基礎を培います。
2年次からは専門教育科目が増えます。「解剖学」「組織学」等はヒトの体を理解するために人体諸器官や口腔の構造・機能を学び、「解剖学実習」ではご献体を解剖し、人体の複雑かつ立体的な構造への理解を深めます。
「生理学」「口腔生理学」「生化学」等では、人体・口腔の正常な働き(機能)と仕組み(機序)を理解します。「細菌学」は疾病の発症機序や病態を理解し、「薬理学」は治療・診断のために重要な学問です。
このように2年次は、ヒトの生体や口腔の形態、疾病などについて基礎知識を得る専門科目が多くなります。
このほか、歯科で使用される歯科材料を知り技術を会得する「歯科理工学」や未来の歯科医療を拓く研究者養成に対応する「歯科医学研究A」(選択科目)などもあります。

解剖諸霊位慰霊祭

毎年6月初旬に執り行われる「解剖諸霊位慰霊祭」は、第1学年から第3学年までの学生が参加して、解剖学実習のため献体いただいたご尊霊に対し、謹んでご冥福をお祈りし感謝と尊敬の念を捧げます。

[第2学年 履修科目]
化学実験 生物学実験 分子生物学 解剖学Ⅱ 歯の解剖学 解剖学実習 組織学 口腔組織学 組織学・口腔組織学実習 生理学 口腔生理学 生理学・口腔生理学実習 生化学 口腔生化学Ⅰ 生化学・口腔生化学実習,生化学特講 微生物学 口腔微生物学 薬理学 公衆衛生学Ⅰ 公衆衛生学Ⅱ 歯科理工学 歯科理工学実習 歯科医学研究A

第3学年 基礎歯科医学から臨床歯科医学へ

基礎+臨床系の専門教育課目がラインアップ

3年次は、臨床系の科目が増え、歯科の各種疾患における病態の把握、適切な診断や予防・治療を行うため、各種知識を習得します。
異色な科目としては「法医歯科学」が挙げられます。災害時における身元確認などの鑑定実務も、歯科医師として日常の臨床以外に社会に貢献できるものです。身元確認作業を理解し、技能を習得します。

必要とされる医学の知識

「隣接医学」ではイラクの小児歯科医師リカさんを招いて特別講義が行われた

近年は、高齢者や歯科疾患以外の有病者が歯科治療を受診するケースが増えており、歯科知識だけでなく、各種疾患を理解したうえでの歯科的処置や処方が必須になっています。そこで、「内科学」「外科学」「隣接医学(耳鼻咽喉科学・皮膚科学・眼科学)」では、医学の知識も学びます。

[第3学年 履修科目]
口腔生化学Ⅱ 微生物学・口腔微生物学実習 歯科薬理学 薬理学・歯科薬理学実習 公衆衛生学Ⅲ 公衆衛生学Ⅳ公衆衛生学実習 病理学 口腔病理学 病理診断学実習 全部床義歯補綴学 歯冠彫刻実習 保存修復学 小児歯科学 歯科矯正学 口腔外科学 歯内治療学 歯周病学 内科学 法医歯科学 医療面接法 隣接医学 歯科医学研究B

第4学年 共用試験に向けて基礎・臨床の総まとめ

知識を臨床応用するための実習

第4学年では共用試験を踏まえて、基礎・臨床総論復習に重点をおいた講義や実習が行われます。
「歯科補綴学実習」「小児・矯正基礎実習」「歯周病学実習」「保存修復学実習」「歯内治療学実習」など、義歯の製作法や各種歯科疾患の治療法や術式などの基礎技術を習得する実習が多くなります。
全身疾患を有する高齢者やスペシャルニーズのある人に、歯科医療を提供するための基本的知識と態度を習得し医療連携を理解する「高齢者歯科学」「障がい者歯科学」や、臨床実習生として好ましい態度、検査に必要な知識、患者との信頼関係の構築などを学ぶ「臨床予備演習」もあります。
2016年からは新たに「口腔インプラント学」も設けられました。CBTや歯科医師国家試験にもインプラント関連の出題が増えており、学生が効率よくインプラントについて学習するための科目です。
2018年からは「摂食嚥下療法学」が開講しました。これまでは障害者歯科学や高齢者歯科学の一部で講義がなされていましたが、近年の社会的要求や国家試験での頻出を考慮しての新設です。摂食に関わる機能の概説から、評価・診断、リハビリテーションの処方までを15回の講義で行います。

[第4学年 履修科目]
歯科補綴学実習Ⅰ 部分床義歯補綴学 歯科補綴学実習Ⅱ クラウンブリッジ補綴学 保存修復学実習 小児歯科学 歯科矯正学 小児・矯正基礎実習 口腔外科学 歯科麻酔学 歯科放射線学 歯内治療学 歯内治療学実習 歯周病学 歯周病学実習 口腔インプラント学 障がい者歯科学 高齢者歯科学 摂食嚥下療法学 臨床予備演習 総合講義Ⅰ 総合講義Ⅱ

第5学年 臨床実習 歯科医療チームの一員として

診療参加型の臨床実習にシフト

第5学年になると、臨床講義に加え、2008年に新設された松本歯科大学病院においていよいよ臨床実習が始まります。歯科医学を学び、歯科医師を志す者にとって、歯科医師に必要な姿勢、実際の臨床能力の基本を身につける場が臨床実習の場です。
臨床実習は、歯科医学生としての立場をよく理解し、医療人として患者に奉仕する姿勢を忘れず、常に自己を律し、患者の信頼に十分応えられるよう、実習指導者の指示に従わなくてはなりません。
これまでは“見学型”の臨床実習に多くの時間が割り当てられてきましたが、今は指導医の下、チェアサイドで可能な限り検査、診断、診療を行う“診療参加型”の臨床実習にシフトしています。

[第5学年 履修科目]
臨床講義 臨床実習

第6学年 歯科医師国家試験に向けて

第6学年は、総合歯科医学教育の完成を目指し、基礎から臨床までの歯科医学的知識を統合します。
総合講義は歯科医師国家試験の出題基準を基に授業が編成され、歯科医師として具有すべき知識および技能を教科ごとに復習・修得します。

[第6学年 履修科目]
総合講義 総合講義演習