2019

松本歯学45巻1号(2019.6)を公開

松本歯学45巻1号(2019.6)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

第25回SCRP日本代表選抜大会で第6学年生が英語で研究発表

英語でポスター発表した清水さん(左)と大谷さん

第25回スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が8月22日(木)から23日(金)の2日間、東京都歯科医師会館で開催された。本大会は全国の歯科学生による研究の実績を英語で発表する大会で、今年度は、第6学年の清水まやさんと大谷有希さんが「なぜ乳腺腫瘍に類似する癌が唾液腺に発症するのか?」をテーマにポスター発表を行った。

第38回日本歯科医学教育学会で第5学年・吉田拓真君が日本歯科学生連盟の活動を発表

堂々とポスター発表を行った吉田君

7月19日(金)・20日(土)の2日間、福岡市のパピヨン24において第38回日本歯科医学教育学会総会および学術大会が開催され、歯学部第5学年の吉田拓真君が「日本歯科学生連盟第1回本大会の開催経験 ―全国の歯科学生との交流を目指して―」と題したポスター発表を行った。
発表内容は、昨年発足した日本歯科学生連盟の今までの活動をまとめたものである。海外では、以前より世界各国の歯学部学生団体の活動が活発に行われている。日本においても歯学部学生間の交流と自らのスキルアップを目的として、全国の歯科大学、歯学部学生の有志が声を上げ、日本歯科学生連盟(Japan Dental Students Association =JDSA)の発足に至った。JDSAの第1回大会は、昨年12月に松本歯科大学で開催され、総会や教育セミナー、ワークショップ、懇親会等が行われた。

木曜夕方の開催で演題、参加者数が増加 -第88回松本歯科大学学会(総会)-

表彰状を持つ三浦君(右)と山田研究科長

7月4日(木)、本館601教室にて第88回松本歯科大学学会(総会)を開催した。今回から開催日時を例会同様に木曜日の夕方としたところ、昨年までと比べて演題や参加者数が増加した。特別講演では、講師として大阪大学口腔生理学教室の加藤隆史教授をお招きし、「睡眠時ブラキシズムの謎を解くために」と題する講演が行われた。本学総合歯科医学研究所在籍時の研究から大阪大学に移籍後の現在に至るまで、多くの研究成果が報告された。
今回の優秀発表賞には、三浦君が発表した演題「溶血性細菌Gemellaの特性と歯周疾患との関連性」が選ばれ、山田一尋大学院研究科長から表彰状と金一封が授与された。

歯科補綴学講座の黒岩昭弘教授が日本顎咬合学会の理事長に就任

理事長就任の挨拶をする黒岩教授

6月22日(土)・23日(日)の両日、第37回日本顎咬合学会学術大会が東京国際フォーラムで開催され、定期総会において歯科補綴学講座の黒岩昭弘教授が日本顎咬合学会新理事長に選出された。同学会は故・保母須弥也先生によって、咬み合わせの科学を基盤に顎口腔系の臨床を追究するために設立され、会員数は現在8千人以上。来る令和3年には設立40年を迎える。
理事長就任にあたって黒岩教授は「人生100年時代 ―臨床力を磨く」をテーマに掲げ、次のように抱負を語った。「人々が生まれ持った顎口腔系の機能を使って咀嚼し、語らい、笑うことを支えるのが真の顎咬合学であると考えています。咬合を中心としたさまざまな分野(補綴学・歯内療法学・歯周病学・矯正学・口腔外科学・小児歯科学・内科学・介護学・人間学等々)の知識や技術を集結させ、咬合のエキスパートとして患者さんに良好な結果をもたらす臨床力を構築していただきたいと思います」。

第30回日本老年歯科医学会シンポジウムで吉成伸夫教授が日本歯周病学会代表として講演

シンポジウムで講演した吉成教授

6月6日(木)から8日(土)にかけて、第30回日本老年歯科医学会が仙台国際センターで開催され、歯科保存学講座の吉成伸夫教授が日本歯周病学会代表として「介護予防としての高齢者への歯周治療の必要性と口腔健康管理の中での位置づけ」と題して講演を行った。吉成教授は、高齢者で問題となる高度に進行した歯周疾患は、幼児期から成人期におけるしっかりとした歯周治療により、生活習慣病の発症・悪化が抑制され、高齢期での歯周病の予防あるいは発症を遅延でき、要支援、要介護予防ができる可能性があるため、今後はライフコースアプローチの観点から歯周治療に取り組むべきであることを解説した。

第104回アメリカ歯周病学会共催日本臨床歯周病学会・日本歯周病学会で尾﨑友輝助教がポスター優秀賞を受賞

村上伸也日本歯周病学会会長(右端)と尾﨑助教(左端)

歯科保存学講座の尾﨑友輝助教が、昨年10月にカナダ・バンクーバーにおいて開催された第104回アメリカ歯周病学会共催日本臨床歯周病学会・日本歯周病学会2018年大会で「Treatment of OPG-deficient mice with WP9QY recovers alveolar bone loss by suppressing osteoclastogenesis and enhancing osteoblastogenesis.」をポスター発表し、選考の結果、JSP/JACPポスター賞General(Basic research)部門優秀賞を受賞した。5月24日(金)・25日(土)に開催された第62回春季日本歯周病学会学術大会で授賞式が行われ、尾﨑助教は、「名誉ある賞を受賞できたことをとても光栄に思います。今回受賞することができたのは、総合歯科医学研究所の小出雅則講師をはじめ、指導してくださった先生方のご協力あってのものと切に思います。今回の受賞を励みに、松本歯科大学の発展に貢献できるよう、慢心せずさらなる研究に尽力したいと思います」と抱負を述べた。

第1回信州骨代謝多職種セミナー開催

講演を熱心に聴講する参加者

新緑が美しい5月17日(金)、第1回信州骨代謝多職種セミナーが信州大学医学部において開催された。本セミナーは、17年間開催されてきた松本ボーンフォーラムの後継として設立された。白木正孝先生(成人病診療研究所所長)と、本学口腔生化学講座の宇田川信之教授が代表世話人となり、本学からは小澤英浩名誉教授、田口 明教授、小林泰浩教授らが世話人として、運営・開催されることとなった。
今回は、特別講演と招待講演の合計4演題が企画され、80人以上の研究者や医療従事者および学部・大学院の学生などが参加した。

県内の眼科医をはじめコメディカルスタッフが参加し眼科セミナーを開催

講演する相馬教授

5月11日(土)、松本市のアルピコプラザホテルにおいて第5回松本歯科大学眼科セミナーが開催された。本学眼科学の太田浩一教授が座長を務め、特別講演Ⅰでは自らが「OCT(光干渉断層計)・OCTA(光干渉断層血管造影)と眼底自発蛍光のよみかた(基礎編)」と題して、講演を行った。講演会には眼科医だけでなく、視能訓練士や看護師などコメディカルスタッフの参加もあった。特別講演Ⅱでは、本学耳鼻咽喉科学の相馬啓子教授が「松本歯科大学病院における涙道治療」と題して講演。当院にて涙道治療を開始した経緯や、現在涙道外来において行われている検査や治療について紹介した。

アジア環太平洋骨粗鬆症コンソーシアム会議に田口 明教授が参加

会議に出席した各国の代表ら(2列目左端が田口教授)

2019年から22年(第Ⅰ期)および25年(第Ⅱ期)までのアジア環太平洋地区の骨粗鬆症の予防と治療に関する統一ガイダンスの策定を目的とした、アジア環太平洋骨粗鬆症コンソーシアム会議(Asian Pacific Consortium on Osteoporosis:APCO)が5月4日(土)、Dr.Paul Mitchell(ニュージーランド)およびDr.Manju Chandran(シンガポール)を議長として、シンガポールのJW Marriott Hotelにおいて開催された。参加国は15カ国で各国の代表が会議に招かれた。本学歯科放射線学講座の田口 明教授は15年からアジア骨粗鬆症学会連盟の日本代表理事(20年に退任)であったことから、APCO本部から正式な招待を受けて参加した。
策定されたガイダンスは、骨粗鬆症専門誌Osteoporosis and SarcopeniaとOsteoporosis Internationalに19年度中に掲載される予定。また、本会議の概要は国際骨粗鬆症財団のウェブサイトに5月16日に掲載された。

第30回日本医学会総会で内科学・川 茂幸特任教授が講演

川特任教授

4月28日(日)、名古屋国際会議場を主に開催された「第30回日本医学会総会」において、本学の川 茂幸教授(内科学特任)が「IgG4関連疾患の診断と治療:アップデート」と題して講演した。IgG4関連疾患とは、自己免疫性膵炎やミクリッツ病などのIgG4が関連する全身性の疾患で、川教授によって、2001年の「The New England Journal of Medicine」に発表された。川教授はIgG4関連疾患の診断、治療について最新の知見を講演した。

歯学部学生が日本小児歯科学会学生優秀賞を受賞

受賞した渡邊君(左)と小児歯科学・大須賀直人教授

公益社団法人・小児歯科学会では小児歯科学においてその学業、臨床成績が優秀で、小児歯科学へ高い意気込みを持った学部学生対象者に対し、「日本小児歯科学会学部学生優秀賞」を新設している。今年度は本学から、第6学年の渡邊佑平君が日本小児歯科学会学生優秀賞として承認された。

総合歯科医学研究所開設30年記念学術講演会・祝賀会を開催

歯科医学(歯科医療)の歴史と将来展望について講演する須田先生

松本歯科大学総合歯科医学研究所は、今年で開設30年を迎え、それを記念して学術講演会が3月10日(日)、本館7階講堂で開催された。全国から硬組織研究に携わる関係者約150人が参集し、本研究所が硬組織研究のフロントランナーとしての役割を果たしてきたその業績を称えるとともに、研究を牽引した高橋直之研究所長に対して、惜しみない拍手が贈られた。
研究所開設30年記念学術講演会は、小澤英浩名誉教授(初代総合歯科医学研究所長)から開会の言葉が述べられ、以下4つの講演が行われた。

「骨を研究すること」
埼玉医科大学ゲノム医学研究センター・片桐岳信教授
「関節リウマチにおける骨破壊メカニズムとRANKLを標的にした治療戦略」
東京大学医学部整形外科学講座・田中 栄教授
「医歯二元論から出発した歯科医学(歯科医療)の歴史と将来展望」
日本学士院会員・須田立雄先生
「破骨細胞生物学の歴史 ―RANKL発見までを振り返る―」
本学総合歯科医学研究所長・高橋直之教授

講演後は、本学学生ラウンジに参加者を迎え、祝賀会が開催された。成人病診療研究所長の白木正孝先生および東京大学医学部免疫学講座の高柳 広教授から祝辞をいただいた。

澁谷 徹教授を大会長に第23回口腔顔面神経機能学会総会・学術大会を本学で開催

特別講演の金銅教授(左)に感謝状を贈る澁谷大会長

第23回口腔顔面神経機能学会総会・学術大会は、歯科麻酔学講座・澁谷 徹教授が大会長を務め、同講座の谷山貴一講師が準備委員長となって3月9日(土)・10日(日)の両日、本学図書会館を会場に開催された。
特別講演では、本学口腔解剖学講座の金銅英二教授が「顎顔面領域における神経障害性疼痛の分子基盤」と題して講演し、神経障害性疼痛モデル動物やヒトを用いた研究結果を発表した。10日には、「インプラント治療、下顎智歯抜去の神経障害を防ぐために」をテーマにスキルアップセミナーも実施され、本学病院特別専門口腔診療部門の八上公利教授が口腔インプラント手術による神経障害の原因と対策について、口腔顎顔面外科学講座の芳澤享子教授が下顎智歯抜歯後の知覚異常リスクをパノラマX線写真で予測することの重要性について、それぞれ解説した。

松本歯学44巻2号(2018.12)を公開

松本歯学44巻2号(2018.12)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

2018

第87回松本歯科大学学会を学生ラウンジで開催

優秀発表賞に選ばれた趙院生のポスター発表

11月15日(木)、第87回松本歯科大学学会(例会)を本館1階の学生ラウンジで開催した。昨年と同様に開催日を木曜日の夕方とし、一般演題のみをすべてポスター発表で行った。ポスター掲示は前日の夕方から当日朝までに行い、職員や大学院生だけでなく、多くの歯学部生・衛生学院生もポスターを見学しており、本学でどのような研究が行われているのかを知る大変良い機会になった今回の優秀発表賞には、大学院第3学年硬組織発生・再生工学ユニットの趙 麗娟院生が発表した、「象牙芽細胞の枯渇は修復象牙質を誘導する」が選ばれ、高橋直之大学院歯学独立研究科長から表彰状と副賞が授与された。

吉田明弘教授が世界健康首都会議で乳由来食品素材を用いた実証報告

研究成果を発表する吉田教授

11月8日(木)・9日(金)、第8回世界健康首都会議が松本市中央公民館(Mウイング)で開催され、口腔細菌学講座・吉田明弘教授は、「お口の健康の実証研究結果 ―乳由来素材を使った新たなアプローチ―」と題して、研究成果を発表した。
世界健康首都会議は、松本市が進める「健康寿命延伸都市・松本」の創造を目指して、産学官が連携し、健康関連産業が支える街づくりを考え、世界に向けての情報発信を目的としている。吉田教授は、乳製品メーカーと松本市との産学官連携事業として、松本市の企業従業員および松本ヘルス・ラボ(企業が進める医療・介護・健康分野の新産業創出に協力する組織)会員150人を対象にオーラルケア食品をモニターしてもらった結果を報告した。

増田裕次教授を大会長に日本咀嚼学会第29回学術大会を開催

開会の挨拶をする増田大会長

日本咀嚼学会第29回学術大会は、本学総合歯科医学研究所の増田裕次教授を大会長に10月13日(土)・14日(日)の両日、「咀嚼!愛!地域!明るい未来!」をテーマに松本市のまつもと市民芸術館で開催され、咀嚼システムと全身機能の関係を探究した。
特別講演やシンポジウム、ポスター発表などが行われ、市民公開講座では、藤田医科大学歯科・口腔外科学講座の松尾浩一郎教授が「口の健康と健康長寿」をテーマに講演した。また、株式会社フードケア開発部の小川康一部長は、松尾教授と本大会長の増田教授と共同研究を行い、噛み応えがアップし栄養バランスに配慮した「カムカム食」を開発したことを報告。フレイル予防食としての有効性を述べ、噛む力を鍛える食材や調理方法を紹介した。

松本歯学44巻1号(2018.6)を公開

松本歯学44巻1号(2018.6)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

上原俊介講師が第60回歯科基礎医学会学術大会学会奨励賞を受賞

学会奨励賞を受賞した上原講師(右)と中村雅典学会理事長

9月5日(水)から7日(金)の3日間、九州大学歯学部の主管により、第60回歯科基礎医学会学術大会が九州大学医学部百年講堂において開催された。5日には歯科基礎医学会学会奨励賞の授賞式が行われ、口腔生化学講座の上原俊介講師が表彰された。同賞は、今年で30回目を迎え、歯科基礎医学に関連した領域において、国内で行われた研究に関する優秀な論文に贈られるもので、本年は、上原講師の他3人の若手研究者が受賞した。
受賞対象となった論文は、昨年8月に発行された米国科学雑誌「Science Signaling」誌に掲載された、「Protein kinase N3 promotes bone resorption by osteoclasts in response to Wnt5a-Ror2 signaling」で、破骨細胞による骨吸収のメカニズムの一端を明らかにしたものである。
上原講師は、これに先立ち8月17日(金)・18日(土)の両日、千葉市美浜区のクロスウェーブ幕張で開催されたBone Biology Forumにおいて、優秀ポスター発表賞を受賞している。2冠達成となった上原講師は、「今回の受賞を励みに、今後、さらに後世に残る研究を行いたいと思います」と抱負を述べた。

黒岩昭弘教授を幹事に日本歯科理工学会中部地方会夏期セミナーを開催

特別講演を行う宇田川教授(右)と進行役の黒岩教授

歯科補綴学講座・黒岩昭弘教授が幹事となって、2018年度日本歯科理工学会中部地方会夏期セミナーが8月30日(木)・31日(金)の2日間、松本市のホテル翔峰で開催された。特別講演では、本学歯学部長の口腔生化学講座・宇田川信之教授が「骨はダイナミックに躍動している」と題して講演した。一般講演では、本学歯科補綴学講座の洞澤功子講師が「金属アレルギーのアレルゲンの解明」について発表した。歯科用金属によるアレルギーは多発しているが、パッチテストによる原因金属の特定までで、生体内での原因因子となるアレルゲンの同定はいまだに行われていない。洞澤講師は、回転リングディスク電極法を用いた実験の結果、「システインとAg、Cu、Hgが反応し、新しい生成物ができることが確認できた」として、この生成物が金属アレルギーのアレルゲンである可能性を示唆した。

清水まやさん、大谷有希さんが学術大会でポスター賞を受賞

右から清水さん、井上 孝大会長、大谷さん

第29回日本臨床口腔病理学会並びに第11回日本口腔検査学会総会の共催学術大会が8月25日(土)・26日(日)の両日、東京歯科大学で開催された。臨床病理部門・口腔検査部門・研究部門・学生部門の4部門からなるポスター発表では、第5学年の清水まやさんと大谷有希さんが「口唇腺におけるマンマグロビン陽性細胞の分布」をテーマに発表し、みごと学生部門ポスター賞を受賞した。
二人は第3学年の選択科目「歯科医学研究」において長谷川博雅教授の指導の下で本研究を開始、以降も継続して研究に取り組んできた。今年6月にはこれまでの成果や本研究の発展性を見込まれ、本学の学生では初めて一般財団法人・長野県科学研究費助成金の交付を受けて、さらに研究を進めた。マンマグロビンが口唇腺の腺房から導管に至るすべての種類の細胞に分布するが、導管に比べて腺房に多く分布し性差や年齢との関連なく分布することを明らかにした。これは分泌癌などのマンマグロビンを産生する唾液腺腫瘍の発生機序の解明につながる可能性のある結果である。清水さんは「このような栄えある賞をいただき、感激するとともに驚いております。これまで私たちを指導してくださった長谷川教授や口腔病理学講座の先生方に御礼申し上げます」と受賞の感想を述べた。

第24回SCRP日本代表選抜大会で中田智是君が臨床部門第2位入賞

日本歯科医師会・村岡宜明専務理事より臨床部門第2位の表彰を受ける中田君(左)

歯科学生が自らの研究のプレゼンテーションを英語で行い、その成果を競う「2018年度スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会」が8月24日(金)、東京都千代田区の歯科医師会館で開催された。本学からは第4学年の中田智是君が出場し、厳正なる審査の結果、臨床部門第2位に選出され、受賞の栄誉に輝いた。同選抜大会における本学学生の入賞は初の快挙。中田君は「溶血性を持つ属は歯周病の抑制と関連する」と題した研究成果を発表し、審査員からの質問にも英語で的確に答えた。
本研究は、中田君をはじめ、大毛翔吾君(第4学年)、植野裕司君(第3学年)、浮田英彦君(第3学年)、高坂怜子さん(第3学年)の学生5人が、放課後や休日の時間を使い、少しずつ研究成果を積み重ねてきたもので、大会には中田君が代表となって出場した。中田君は「入賞できて光栄です。指導してくださった口腔細菌学講座の吉田明弘教授、三好智博講師、サンプルを提供してくださった歯科保存学講座の吉成伸夫教授に感謝します。共同研究を行ってきた仲間たち全員で頂戴した賞だと思っており、今後も研究を継続し、この歯周病病原菌の生育阻害分子メカニズムを明らかにしていきたいと思います」と喜びを語った。

高橋直之大学院研究科長が日本骨代謝学会学会賞を受賞

学会賞を手にする高橋教授(左)と田中 栄理事長

第36回日本骨代謝学会が、長崎ブリックホールと長崎新聞文化ホール・アストピアにて7月26日(木)~28日(土)の3日間、例年にない酷暑のなか開催され、栄誉ある日本骨代謝学会学会賞を、本学大学院歯学独立研究科長および総合歯科医学研究所長である高橋直之教授が受賞した。本学会賞は、骨代謝に関する多年の優れた研究により骨代謝学会の発展に寄与し、かつ役員として骨代謝学会の運営に著しく貢献した者に授与されるものである。高橋教授は、6年間、骨代謝学会の学術担当理事を、そして第33回骨代謝学会学術大会の大会長も務められた。
Meet the Expert温故知新のセッションでは、「破骨細胞研究の歴史を振り返る」と題して若手研究者を対象に高橋教授が講演された。1985年テキサス大学のRoodman先生とMundy先生の研究室でのヒト破骨細胞培養系、昭和大学・須田立雄先生の研究室における骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系の確立といった歴史的な話、それらの研究によって、破骨細胞分化誘導因子であるRANKLが発見されたことを分かりやすく講演された。

内川竜太朗院生が国際学会でポスター発表

ポスター発表を行った内川院生

7月23日(月)、24日(火)、オーストラリアのシドニーにおいて、32nd Asia Pacific Dental and Oral Health Congressが開催され、大学院第4学年の内川竜太朗院生が「Environmental factors to affect the number of the remaining teeth in elderly(高齢者の現在歯数に影響を与える環境因子)」という演題でポスター発表を行った。内川院生は、高齢者で現在歯数が多い人における口腔内の特徴としてまず唾液緩衝能が高いこと、SM菌が少ないこと、そして定期的なフッ化物の使用が重要であると説明した後、高齢社会を迎えていくアジア諸国の先生方から質問を受けた。

第4回松本歯科大学眼科セミナーおよび第24回長野県眼科学術講演会

講演する太田教授

7月1日(日)、松本市のホテルブエナビスタにおいて、第4回松本歯科大学眼科セミナーおよび第24回長野県眼科学術講演会(参天製薬主催)が行われた。本学眼科学の太田浩一教授は「黄斑円孔のエトセトラ ―10年間の硝子体手術から」と題して講演。太田教授は、まず硝子体手術の進歩について触れられた後、特発性黄斑円孔手術後の網膜微細構造の変化について、これまで行われてきた臨床研究のデータをもとに述べられた。講演会には長野県内の眼科医師を中心に60人が参加した。終了後には本学病院眼科開設10周年記念情報交換会が催され、活発な意見交換が行われた。

科研費獲得額6年連続で年間1億円を突破

このたび、文部科学省および日本学術振興会は、「2018年度科学研究費補助金(科研費)」の交付内定を発表した。本学の総額は1億1千万円を超える額となり、6年連続で1億円を突破した。
今回の交付決定は、継続研究も含めて、基盤研究(A)1件、基盤研究(B)8件、基盤研究(C)23件、挑戦的研究5件、若手研究6件および国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)1件の総計44件である。2018年度に配分される直接経費と間接経費の総額は1億1千万円を超える額となり、6年連続で1億円を突破した。昨年度から新設された挑戦的研究(開拓)は、採択率10%という厳しい競争であるが、小林泰浩教授(総合歯科医学研究所)による申請課題が、初めて採択(直接経費総額2千万円)された。

第86回松本歯科大学学会で学生が優秀発表賞を受賞

左から高坂さん、浮田君、植野君、中田君、大毛君

6月30日(土)、講義館において第86回松本歯科大学学会(総会)が開催され、第4学年の中田智是君、大毛翔吾君、第3学年の植野裕司君、浮田英彦君、高坂怜子さんらが「唾液中の溶血性細菌と歯周疾患との関連性」をテーマに口腔細菌学講座との共同研究におけるGemella属と歯周病との関連について発表し優秀発表賞を受賞した。
また、特別講演として東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科法医学分野の櫻田宏一教授による「個人識別における法歯学の役割」と題した講演がなされた。法歯学は、犯罪関連のご遺体や生体試料からの個人識別はもとより、近年多発する大事故・大災害での身元確認など、社会的に重要な任務を担っている分野であり、その内容や社会への貢献についての貴重な内容をご講演いただいた。

学生の研究に県の科研費助成金が交付される

蛍光顕微鏡でマンマグロビン陽性細胞の有無を確認する清水さん(手前)と大谷さん

第5学年の清水まやさんと大谷有希さんが行っている研究「口唇腺を構成する細胞は分泌癌の発生母細胞となるか?」に対して、6月26日に一般財団法人長野県科学振興会から科学研究費助成金が交付されることが決定した。
清水さんは、第3学年の選択科目「歯科医学研究」において、口腔病理学の「正常顎下腺におけるマンマグロビン陽性細胞の分布」をテーマに研究に取り組んだ。マンマグロビンは乳腺で分泌されるタンパク質だが、唾液腺腫瘍にも乳腺のある腫瘍とよく似た特徴を持つうえに、マンマグロビンを産生する腫瘍があることに興味を抱いたのが、研究を始めたきっかけとなった。二人は第4学年以降も研究を継続。部位を口唇腺に絞り込んで症例数を増やし、マンマグロビンが口唇腺を構成する正常な細胞の「どこに、どのように」分布し、性差や年齢との相関関係があるかを統計的に調べることにした。この研究のタイトルを「口唇腺を構成する細胞は分泌癌の発生母細胞となるか?」とし、清水さんが代表して一般財団法人長野県科学振興会の科学研究費助成金に申請したところ、交付が決定した。同振興会は、長野県内における科学水準の向上、科学知識の普及啓発を図り公益の増進に関与することを目的に、県内の研究者に研究助成金を交付している。

2018年度科学研究費配分額が決定、獲得額6年連続で1億円を突破

「2018年度科学研究費補助金(科研費)」の交付内定が発表され、本学の総額は1億1千万円を超える額となり、6年連続で1億円を突破した。今回の交付決定は、継続研究も含めて、基盤研究(A)1件、基盤研究(B)8件、基盤研究(C)23件、挑戦的研究5件、若手研究6件および国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)1件の総計44件。昨年度から新設された挑戦的研究(開拓)は、採択率10%という厳しい競争であるが、小林泰浩教授(本学総合歯科医学研究所)による申請課題が、初めて採択(直接経費総額2千万円)された。

第17回松本ボーンフォーラムを開催

ボーンフォーラムの参加者

第17回松本ボーンフォーラムが、新緑が美しい5月11日(金)、信州大学医学部において開催された。本研究会は、松本歯科大学、信州大学および成人病診療研究所(安曇野市)の3医療機関を中心とした世話人により運営・開催されている。今回は、特別講演と一般講演合計7演題が企画され、80人以上の研究者や医療従事者および学部・大学院の学生などが参加した。特別講演は、伊木雅之先生(近畿大学医学部公衆衛生学教授)に「骨粗鬆症による骨折リスク評価法の有効性と活用法」と題して、骨量測定のみならず骨代謝指標の測定や遺伝子解析の結果を含めた疫学研究についてご講演いただいた。また、吉子裕二先生(広島大学硬組織代謝生物学研究室教授)が「基質小胞とマイクロRNA」について、千葉 恒先生(長崎大学整形外科学助教)が「骨微細構造から捉えた骨粗鬆症・HR–pQCTによる新しい画像評価」について講演された。一般講演においても、中本哲自教授(本学歯科補綴学教授)が「唾液腺水分泌における膜タンパクの役割」について唾液分泌に関する基礎研究を発表し、活発な討論が行われた。

松本歯学43巻2号(2017.12)を公開

松本歯学43巻2号(2017.12)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

第6回長野県歯科インプラントネットワークミーティングを開催

講演する芳澤教授

本学病院特別専門口腔診療部門の植田章夫診療教授が代表世話人を務める「長野県歯科インプラントネットワークミーティング」の第6回ミーティングが3月11日(日)、松本市内のホテルで開催され、特別講演や教育講演、ミニレクチャーなどで本学教授らが座長や講師として登壇。安全な歯科インプラント治療を行うための臨床現場の取り組みや研究結果を解説した。教育講演は本学総合歯科医学研究所・各務秀明教授が座長となって進行し、口腔顎顔面外科学講座の芳澤享子教授が「歯の移植を成功に導くために ―適応症判定から予後予測まで―」と題して、歯の移植の術後経過や移植歯を喪失するメカニズム、予後因子などを解明するために2000年から2015年にかけて行った複数の研究結果について解説した。

第2・第3学年「歯科医学研究」発表会

研究内容を発表する学生

2月28日(水)、講義館201教室で「歯科医学研究A・B」の発表会が行われた。この科目は昨年度から開講された選択科目で、未来の歯科医療を拓く歯科医師としてのリサーチマインドを身につけることを目的としており、受講を希望する学生は、研究テーマに対する仮説を立てて疑問点や問題点を自ら探求してゆく。発表会はパワーポイントを用いた約10分間の口演の後、質疑応答5分という形式で行われた。発表内容は、歯科基礎医学的なもの、歯科臨床を踏まえたものなど4つのテーマについてプレゼンされた。なお、研究成果は来年度の大学祭「松濤祭」においてもポスターで学生が発表する予定である。

歯学部学生が日本小児歯科学会学生優秀賞を受賞

洪君(左)と小児歯科学講座・大須賀直人教授

公益社団法人・小児歯科学会では、小児歯科学においてその学業、臨床成績が優秀であり、小児歯科学へ高い意気込みを持った学部学生対象者に対し、「日本小児歯科学会学部学生優秀賞」を新設し、賞状と記念品を贈呈している。2017年度は第6学年の洪 志翔君(41期生)が日本小児歯科学会学生優秀賞として承認された。洪君は台湾からの留学生ではあるが、学業が優秀であり、特に小児歯科学において成績が極めて優秀であることから推薦され、このたびの受賞(2月1日付)となった。洪君は「小児歯科学会の優秀賞をいただき、小児歯科に関する知識や診療技術を指導してくださった松本歯科大学の諸先生方に感謝いたします。今後、台湾に戻ってからも歯科医師として精進してまいります」と感想を述べた。

金銅英二教授らが12倍大の歯の模型教材を開発

12倍大の模型教材

口腔解剖学講座・金銅英二教授と入門歯科医学・谷内秀寿講師、三溝恒幸歯科技工士らは、3Dプリンターを用いて歯の12倍大の模型教材を製作した。第一大臼歯(最大の歯)の場合、(近遠心径)約140mm×奥行き(頬舌径)135mmで、重量は195.8g。素材はABS樹脂製で驚くほど軽い。金銅教授らは、歯の形態に関する論文や歯の解剖学の教科書などを徹底的に調査し、日本人の各歯のサイズ、形態を標準化し数値化した。模型は歯の形態を正確に表現しているのが特長で、歯科医学の教育現場だけでなく、臨床でも活用が期待される。
問合わせは口腔解剖学講座(TEL:0263-51-2032)

2017

第13回長野摂食嚥下リハビリテーション研究会を本学で開催

さまざまな職種から多くの参加があった研究会

12月9日(土)、第13回長野摂食嚥下リハビリテーション研究会が本学にて開催され、諏訪赤十字病院リハビリテーション科の巨島文子先生と国立精神・神経医療研究センター・摂食嚥下リサーチセンターの山本敏之先生をお迎えしてご講演いただいた。参加者は医師、歯科医師をはじめ、看護師、言語聴覚士、栄養士、理学療法士など摂食嚥下リハに関わるさまざまな職種の方々や学生もあわせ計122人で、摂食嚥下がいかに現在の医療現場でニーズがある分野であるかを物語っていた。

第85回松本歯科大学学会(例会)を開催

優秀発表賞を受賞した楊院生

11月16日(木)、第85回松本歯科大学学会(例会)を本館1階の学生ラウンジで開催した。今回は初の試みとして開催日を平日の夕方とし、一般演題のみをすべてポスター発表で行った。歯学部講座並びに大学院ユニットから、基礎研究、臨床研究および症例報告を合わせて20演題の発表がなされた。優秀発表賞には、大学院硬組織機能解析学ユニットの楊 孟雨先生が発表された「Osteogenic Factor Runx2 Marks a Subset of Leptin Receptor-Positive Cells that Sit Atop the Bone Marrow Stromal Cell Hierarchy」が選ばれ、高橋直之大学院歯学独立研究科長から表彰状と金一封が授与された。

第36回日本小児歯科学会中部地方大会を開催

特別講演を行った塩原教授(左)と正村大会長

10月22日(日)、第36回日本小児歯科学会中部地方会大会および総会が長野市のホクト文化ホールで開催された。本学会は小児歯科学講座の大須賀直人教授が大会長を務めた昨年に引き続き、同講座の正村正仁准教授が大会長を務め、準備委員長の松田厚子先生(明成歯科医院・本学1期生)を中心に開催準備および運営を担当した。本大会のテーマは「こどもたちの笑顔のために ―信州からの発信―」で、あいにくの悪天候にもかかわらず200人以上の参加者が会場を訪れ、そのなかには本学歯学部生や衛生学院生の顔も多く見られた。
特別講演においては、本学小児科の塩原正明教授が「小児白血病の診断、治療と今後の課題」と題した講演を行い、多くの参加者が小児歯科医にとって理解を深めるべきテーマであるその講演内容に、熱心に耳を傾けていた。

第45回日本歯科麻酔学会総会・学術集会を開催

開会の挨拶をする澁谷大会長

10月13日(金)から15日(日)にかけて、第45回日本歯科麻酔学会総会・学術集会がまつもと市民芸術館において開催された。本学歯科麻酔学講座・澁谷 徹教授が大会長を務め、「より安全で質の高い麻酔管理をめざして」をテーマに、特別講演、教育講演をはじめ、シンポジウム、市民公開講座など、多彩なプログラムが繰り広げられた。本学関係者が演者や座長を務めて大会を盛り上げ、3日間を通して986人が参加し、歯科麻酔学の発展のため活発な討論がなされた。

第59回歯科基礎医学会学術大会を本学キャンパスで開催

質問に答えるハーバード大学歯学部のBaron教授

第59回歯科基礎医学会学術大会は、本学口腔解剖学講座・中村浩彰教授が大会長を務め、口腔生化学講座・宇田川信之教授を準備委員長として、9月16日(金)から18日(月)にかけて、本学キャンパスに800名を超える参加者を迎え開催された。33年ぶりに本学主管となった本大会のテーマは「歯科基礎医学研究のグローバルな発展」。骨代謝研究の世界的牽引者であるRoland Baron教授(ハーバード大学歯学部)と免疫学の世界的権威である審良静男教授(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)の特別講演(ロッテ基金)が本学講堂にて行われ、聴衆を感動させた。そのほか招待特別講演2題をはじめ、各種シンポジウム27企画、ランチョンセミナー7企画など、多彩なプログラムが3日間にわたり遂行された。また、350を超える一般口演・ポスターおよび学部学生ポスターなどが行われ、活発な討論が繰り広げられた。

病院内に細胞・再生医療センター開設

自動細胞培養装置の説明をする各務教授

松本歯科大学病院は、医科歯科連携診療部に「細胞・再生医療センター」を開設した。病院における細胞・再生医療研究を支援し、その普及を推進することが目的。株式会社カネカおよびダイダン株式会社の協力を得て、自動細胞培養装置を活用した小規模細胞調製施設を院内に設置し、「自己骨髄間質細胞を用いた歯槽骨の再生医療」に取り組む。
9月15日(金)、創立30年記念棟で行われた記者発表会には、宇田川信之センター長(口腔生化学講座教授)と口腔顎顔面外科学講座・各務秀明教授、株式会社カネカ再生・細胞医療研究所の市村昌紀担当課長、ダイダン株式会社再生医療事業部の佐々木洋二副事業部長が出席し、概要について説明した。

骨吸収の新たなメカニズムを解明

記者発表する小林教授(右)と上原講師

総合歯科医学研究所の小林泰浩教授および口腔生化学講座の上原俊介講師は、神戸大学との共同研究により、破骨細胞内のタンパク質「プロテインキナーゼN3(PKN3)」が、破骨細胞の骨吸収を促進する役割を持っていることを解明し、8月30日(水)に創立30年記念棟で記者発表した。
小林教授らは2012年に、サイトカインWnt5aがその受容体であるRor2に結合すると、細胞内のシグナルが活発になり、破骨細胞になる前の細胞が、破骨細胞になりやすくなることを米国科学雑誌『Nature Medicine』に発表した。その後、文部科学省の科学研究費補助金の支援を受け、さらに研究を進めた結果、研究成果が米国東部時間8月29日(日本時間8月30日)に米国科学雑誌『Science』の姉妹誌である『Science Signaling』誌に掲載された。

第23回SCRP日本代表選抜大会で歯学部学生が英語で研究発表

見学者に研究内容を説明する山口君

公益社団法人・日本歯科医師会主催、デンツプライシロナ株式会社後援によるスチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)2017日本代表選抜大会が8月18日(金)、東京の日本歯科医師会館で開催された。全国の歯科大学・歯学部のうち28校の学生が参加し、本学からは第4学年・山口久穂君が出場して「Influence of super-elastic screw pin on strength of dental implant ―Consideration by nonlinear finite element analysis(スクリューピンに超弾性合金を用いた場合のインプラント体の強度に及ぼす影響 ―非線形有限要素解析による検討)」をテーマに英語で研究発表した。

長谷川博雅歯学部長を大会長に日本歯科医学教育学会学術大会を開催

「アジアの歯科医学教育のグローバル化」をテーマに討論が行われたシンポジウムⅡ

第36回日本歯科医学教育学会総会・学術大会は、長谷川博雅歯学部長を大会長に、本学主管で7月28日(金)・29日(土)の両日、松本市中央公民館(Mウイング文化センター)において開催された。「歯科医学教育の国際標準化にむけて」を大会テーマに、本学教授らが特別講演やシンポジウム、一般口演の座長や講演者となり、運営スタッフには教員を中心に学生有志も参加。学会員約500人を迎え盛況な大会となった。
特別講演は、長谷川大会長とLee Jae-Il韓国歯医学教育評価院院長・ソウル大学歯医学大学院教授が座長を務め、同院認証評価委員会委員長・江陵原州大学歯学部のKim Kyung-Nyun教授が「Effects of the Korean Dental Education Evaluation」と題して、韓国における歯学教育の標準化と評価について講演した。シンポジウムⅡ「アジアの歯科医学教育のグローバル化」では、社会歯科学講座・富田美穂子教授を座長として、厚生労働省医政局歯科保健課長の田口円裕氏、ミャンマーMamdala歯科大学のKyu Kyu Swe Win教授、本学口腔生理学講座のMohammad Zakir Hossain助教、フリーランス顎顔面口腔外科医の岩田雅裕先生が、アジア各国の歯科医学教育の現状を説明し、活発な討議がなされた。
学生ポスター発表では、本学第3学年・渡邊遊理君が「1年次と2年次におけるプロフェッショナリズム関連カリキュラムから得たもの」、第2学年・後藤寛子さんらが「コミュニケーションを科学できたか?」と題して発表し、大会長から表彰を受けた。学生教育の一環として運営スタッフには本学第2~4学年の学生有志も参加し、講演進行や会場運営がスムーズに行われた。学生たちにとっても学会の内容や雰囲気を知るよい機会となった。

歯科放射線学講座・田口 明教授が日本骨代謝学会学術賞を受賞

学術賞を受賞した田口教授(中央)

7月27日(木)~29日(土)の3日間、ホテル日航福岡において開催された日本骨代謝学会学術集会で、歯科放射線学講座の田口 明教授が学術賞を受賞した。本学術賞は、骨代謝に関する優れた研究を行った研究者に授与されるものであり、基礎系、内科臨床系および外科・歯科臨床系から各1人、計3人が選出される。田口教授は「口腔顎顔面領域における骨粗鬆症の影響に関する研究での多大なる功績」として外科・歯科臨床系分野の学術賞を受賞した。本学からは2002年に宇田川信之教授(口腔生化学講座)が、2012年には小林泰浩教授(総合歯科医学研究所)が本学術賞を受賞している。

第84回松本歯科大学学会(総会)を開催

質疑に答える朝比奈診療助手

第84回松本歯科大学学会(総会)が7月8日(土)、講義館201教室において開催された。一般演題4演題のうち症例発表が3演題、研究発表が1演題で活発なディスカッションが行われた。最優秀発表賞は障がい者歯科学講座の朝比奈伯明診療助手による「障害者への行動調整法と保護者の思い」が選ばれ、高橋直之大学歯学独立研究科長から賞状が手渡された。また特別講演ではスポーツ歯学研究の第一人者の東京歯科大学口腔健康科学講座スポーツ歯学研究所の武田友孝先生をお招きし、「適切なマウスガードの必要性、効果およびその設計・制作法」と題して講演が行われた。

歯科矯正学講座・唐澤基央助教が「Bronze Prize」を受賞

受賞した唐澤助教(左)と祝福する歯科矯正学・山田一尋教授

第9回World Implant Orthodontic Conferenceが7月2日(日)から4日(火)にかけて神戸国際会議場において開催され、Rising Star Awards on TADsのセッションで歯科矯正学講座の唐澤基央助教がBronze Prizeを受賞した。唐澤助教は、歯科矯正用アンカースクリューを植立した患者のアンケート調査を行い、「松本歯科大学矯正歯科における歯科矯正用アンカースクリューの現状 / Current situation of orthodontic anchor screw at the Department of Orthodontics, Matsumoto dental university」のタイトルで発表した。

2017年度科研費配分で昨年比35%増・1億5千万円に迫る

文部科学省および日本学術振興会は「2017年度科学研究費助成事業(科研費)」の交付内定を発表した。本学は基礎研究(B)2件、基礎研究(C)8件、挑戦的研究2件、若手研究(B)3件および国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)2件が新規採択された。これにより、2017年度に配分される直接経費と間接経費の総額は1億4千万円を超え、昨年度と比較して35%の増加となった。

鷹股哲也診療教授が植物由来の新素材による「バイオマウスガード」を開発

バイオマウスガード(仮称)

病院総合口腔診療部門の鷹股哲也診療教授は、スポーツマウスガード材として応用可能な新素材を日立造船株式会社製造・販売と共同で開発し、6月17日(土)・18日(日)に札幌市で開催された第28回日本スポーツ歯科医学会総会・学術大会において、「バイオマテリアル(Bio-trans-polyisoprene)によるマウスガード材への応用に関する基礎的検討」と題して、新素材を用いたマウスガードの製作方法などを口演発表した。鷹股教授は「国内外において初めてと思われるマウスガード材で、今後は本材料の耐久性・カラーリング・装着感など、実用化に向けて検討を重ねたい」と話している。

2016年度学位論文公開

2016年度松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士学位論文(8件)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

松田紗衣佳助教が一般社団法人日本小児歯科学会のデンツプライシロナ賞を受賞

受賞した松田助教(中央)と木本理事長(右)

小児歯科学講座の松田紗衣佳助教が一般社団法人日本小児歯科学会のデンツプライシロナ賞を受賞し、5月25日(木)・26日(金)に開催された第55回日本小児歯科学会で理事長の木本茂成教授より功績が称えられ楯と賞を授与された。松田助教は大学院修了時の筆頭英論文3編、共同著者の英論文5編、和論文が2編あり、IF(インパクトファクター)の合計が12.008と最優秀での受賞となった。

吉成伸夫教授が第102回アメリカ歯周病学会共催・日本歯周病学会日本臨床歯周病学会でポスター最優秀賞を受賞

受賞した吉成教授(右から2人目)

歯科保存学講座の吉成伸夫教授は、昨年2016年9月に米国サンディエゴにて開催された第102回アメリカ歯周病学会共催・日本歯周病学会日本臨床歯周病学会(The 102nd Annual Meeting of American Academy of Periodontology in Collaboration with the Japanese Society of Periodontology and the Japanese Academy of Clinical Periodontology)において、「Analysis of the relationship between periodontal disease and diabetes mellitus」のタイトルでポスター発表し、JSP/JACPポスターGeneral/Clinical Research部門(ストローマン・ジャパン賞) 最優秀賞を受賞し、2017年5月11日から13日に開催された第60回春季日本歯周病学会学術大会において授賞式が行われた。

歯学部選択科目「歯科医学研究」学生が研究成果を発表

研究発表をする中田智是君(第2学年)

2月21日(火)、講義館201教室において「歯科医学研究」A(第2学年)・B(第3学年)の発表会が開かれた。この科目は本年度初めて開講された選択科目で、未来の歯科医療を拓く歯科医師としてのリサーチマインドを身につけることを目的としており、後期水曜日の4時限に設定されている。学生たちは研究に取り組んできた成果を堂々と発表し、活発な討論が行われた。

歯学部学生が日本小児歯科学会学生優秀賞を受賞

宮原君(左)と小児歯科学・大須賀直人教授

公益社団法人・小児歯科学会では小児歯科学においてその学業、臨床成績が優秀で、小児歯科学へ高い意気込みを持った学部学生対象者に対し、「日本小児歯科学会学部学生優秀賞」を新設している。2016年度は第6学年の宮原良太君(第40期卒業生)を本学から申請し、学生優秀賞として承認され、2月1日付で表彰状と副賞が贈呈された。宮原君は「栄えある賞をいただき、指導してくださった諸先生方に感謝いたします。この受賞を糧とし、今後も歯科医師として精進してまいります」と感想を述べていた。

2016

歯学部学生が松本歯科大学学会の最優秀発表賞を受賞

左から宮野さん、渡邉君、吉田さん、山口君

第83回松本歯科大学学会(例会)が12月3日(土)、講義館201教室において開催された。一般演題では、歯学部第3学年の吉田美加さん、渡邉剛樹君、山口久穂君、宮野宏子さんらの学生グループが、「内腸骨静脈が腸骨間静脈に注ぐ重複下大静脈の一例」と題して、第2学年次に行った解剖学実習での珍しい一例について研究発表し、栄えある最優秀発表賞を受賞した。吉田さんは「思いもかけず賞を賜り、本例を観察する機会を与えて下さった故人ならびにご遺族に感謝するとともに、ご遺体の保存・剖出準備に関して吉井次郎技術員に御礼申し上げます」と話し、渡邉君は「今回の研究は、歯科医師を目指す自分にとって貴重なテーマ。こうした機会を通して見識を広めていきたい」と感想を述べていた。

松田紗衣佳助手が外国誌のオファーで総説論文を執筆

左から川上教授、松田助手、小児歯科学・大須賀直人教授

小児歯科学講座助手で大学院(指導教員=総合歯科医学研究所・川上敏行教授)の松田紗衣佳院生(第4学年)の総説論文が、『International Journal of Dentistry and Oral Sciences(S9:001, 1-7, 2016)』に掲載された。本論文は、『International Journal of Medical Sciences』に掲載された松田院生の博士学位研究の論文を読んだIJDOS誌の編集者から、その内容を中心に据えた総説の執筆オファーがあり、「Overview of Cytological Dynamics of Periodontal Ligament Inflammatory Lesions」との題名で書き下ろしたもの。

倉澤郁文教授を大会長に日本補綴歯科学会東海支部総会・学術大会を開催

研究成果を発表する菅生助手(左)

2016年度公益社団法人日本補綴歯科学会東海支部総会ならびに学術大会が11月12日(土)・13日(日)の2日間、松本市のMウイング文化センターにて開催された。本学歯科補綴学講座の倉澤郁文教授が大会長を務め、長野・愛知・岐阜・静岡・新潟・富山の6県から130人余りの学会員が松本に集結した。
一般口演では、歯科補綴学講座の岡﨑耕典助手と菅生秀昭助手が日ごろの研究成果を発表し、熱い討論が交わされた2日間が閉幕した。

第35回日本小児歯科学会中部地方会大会を本学で開催

本館7階講堂で各種講演が催された

秋冷の10月30日(土)、第35回日本小児歯科学会中部地方会大会および総会は小児歯科学講座・大須賀直人教授が大会長を担当し、正村正仁准教授を準備委員長として、図書会館学生ホールと本館7階講堂で開催された。中部地方の各県から歯科医師や歯科衛生士など約200人が参加。特別講演や教育講演、展示発表などを通して、小児歯科の未来を考えた。
本学での開催は1994年の10月(22年前)以来の開催となり、今大会では会員のポスター発表18題、専門医の更新プレゼンテーションおよびランチョンセミナーも開催され、充実した商業展示もあり、会員にとって有意義な大会になった。

山本昭夫教授を大会長に日本歯科保存学会秋季学術大会を開催

開会の挨拶をする山本大会長

日本歯科保存学会2016年度秋季学術大会(第145回)は、歯科保存学講座・山本昭夫教授が大会長を務め、安西正明准教授を準備委員長として、本学主管で10月27日(木)・28日(金)の両日、松本市キッセイ文化ホールで開催された。「生涯使う歯の大切さ ―変わりゆく保存治療」をテーマに、特別講演、シンポジウムなどで、歯科医療発展への方策について活発な討論が展開された。
山本大会長は開会の挨拶に立ち、「高齢社会において、歯科医療は国民のニーズの変化に対応し、貢献していかなくてはなりません。今大会では予防、治療、管理そしてケアとあらゆる面から、歯の寿命を延ばしていくために必要なキーポイントを考えていきたい」と、大会のテーマについて説明した。
歯周治療領域のシンポジウムにおいては、本学歯科保存学講座の吉成伸夫教授がコーディネーターを務め、「生涯にわたる歯周病治療」をテーマに、世代ごとに歯周病治療の在り方を考え、さらに歯周病と生活習慣病との関わりについて活発な討議が行われた。

石原裕一教授が2016年度日本歯周病学会・学術賞を受賞

表彰を受ける石原教授(左)

10月7日(金)・8日(土)の両日、日本歯科大学新潟歯学部の主管により、第59回秋季日本歯周病学会学術大会が朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにおいて開催された。7日の総会では表彰が行われ、歯科保存学講座の石原裕一教授が2016年度日本歯周病学会・学術賞を受賞した。同賞は、2001年より創設され、歯周病学において継続して優れた業績を上げた研究者の功績を讃えることを目的として学会より表彰されるもので、本年は柳田 学先生(大阪大学大学院歯学研究科口腔治療学教室)と石原教授が受賞した。

中道裕子講師が第2回Neo Vitamin D Workshopで優秀ポスター賞を受賞

中道講師(左)と徳島大学の松本俊夫教授

8月26日(金)・27日(土)の両日、第2回Neo Vitamin D Workshopが東京都高輪TKPガーデンシティ品川で開催された。ポスター発表26演題の抄録とショート口演の採点結果から、総合歯科医学研究所の中道裕子講師が優秀ポスター賞に選定された。中道講師の演題は、「骨芽細胞特異的VDR欠損および破骨細胞特異的VDR欠損マウスの表現型~VDR cKOマウスを用いたエルデカルシトール(ELD)の作用効果の解析」であり、骨粗鬆症治療薬である活性型ビタミンD製剤エルデカルシトールの骨量上昇効果の作用点を明らかにしたものである。本研究内容は、来年3月米国フロリダで開催されるVitamin D Workshopで発表予定であり、エルゼビア社が5年おきに発行する「Vitamin D」第4版においても執筆依頼されている。

岡田芳幸准教授の研究論文が米国心臓協会の国際ガイドライン作成に寄与

論文が掲載された雑誌を持つ岡田准教授

アメリカ心臓協会(The American Heart Association:AHA)は、このたび動脈硬化に対する血管評価方法の一般化に向けた新ガイドラインを発表した。作成にあたっては数年にわたり、何百万もの関連論文のなかからエビデンスレベルが高いものを基準に厳格なレビューと承認審査を経て報告されたが、その作成の元となった300あまりの厳選された論文のなかに、障がい者歯科学講座の岡田芳幸准教授が筆頭著者として医学雑誌『Hypertension(2012年59巻1号 p.98-104)』に発表した原著論文「Relationship between sympathetic baroreflex sensitivity and arterial stiffness in elderly men and women.」が含まれている。

第22回SCRP日本代表選抜大会で歯学部学生が研究発表

研究発表した高濱君

スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)2016年度日本代表選抜大会が8月19日(金)、東京の日本歯科医師会館で開催された。全国29大学の学生が参加し、本学からは第4学年・髙濱暁君が「Localization of RELM-/FIZZ2 is Associated with Tooth Root Development(RELM-/FIZZ2の歯根形成過程における局在)」というタイトルで、セメント質形成が歯根象牙質表面に集積するRELM-/FIZZ2と密接な関連があるという研究成果を英語で発表した。

吉成伸夫教授を大会長に日本レーザー歯学会総会・学術大会を開催

開会式で挨拶する吉成大会長

第28回日本レーザー歯学会総会・学術大会は7月16日(土)、本学歯科保存学講座の吉成伸夫教授を大会長に、愛知県名古屋市のウインクあいちで開催された。「超高齢社会におけるレーザー歯学」をテーマに、各種講演、講習会などを通じて、高齢者に対するレーザー治療の有用性について知見を深める盛況な大会となった。
同学会は、レーザー歯学の進歩発展を図り良質な医療を提供することを目的に発足し、認定医・専門医制度を充実させてレーザー治療の普及と会員の技量向上をめざしている。今回の総会・学術大会は、第15回国際レーザー歯学会WFLD2016との併催で行われ、会員約200人が参加し、活発な討論が行われた。特別講演では、本学障害者歯科学講座の小笠原 正教授が「有病高齢者への安全な歯科治療、リスクマネジメントとクライシスマネジメント」と題して講演した。

第82回松本歯科大学学会(総会)を開催

研究発表を行う日置君

7月9日(土)、第82回松本歯科大学学会(総会)が開催された。一般演題では歯学部第6学年の日置崇史君らが「咀嚼回数を意識すると食べ物の選択は変わるか?」と題して研究成果を発表した。特別講演では徳島大学大学院医歯薬学研究部小児歯科学分野の岩本 勉教授による「硬組織形成細胞の分化と細胞外環境」と題する講演がなされた。なお、本学会初の優秀発表賞は、口腔細菌学講座の塩屋幸樹助教による「Porphyromonas gingivalisの硫化水素産生酵素の同定およびマウス生体反応の解析」に授与された。

第15回松本ボーンフォーラム開催

動物実験結果を発表する吉成教授

第15回松本ボーンフォーラムが、5月27日(金)、信州大学医学部で開催された。この研究会は、松本歯科大学、信州大学成人病診療研究所(安曇野市)の3医療機関からの世話人により運営・開催されている。今回は、研究者や医療従事者、学生など100人以上が参加した。
特別講演においては、帝京大学医学部第3内科学・井上大輔教授が「COPDに合併する骨粗鬆症の病態と発症メカニズム」と題して、島根大学医学部第1内科学・金沢一平講師は「糖尿病における骨代謝異常の重要性とメカニズム」について、最新の研究成果が発表された。さらに、兵庫医科大学歯科口腔外科学・岸本裕充教授が「骨吸収抑制薬に関連した顎骨壊死に対するオーラルマネジメント」というタイトルで、骨粗鬆症患者に対して抜歯などの口腔外科手術を行う際の指針が示された。
一般講演では、本学歯科保存学講座・吉成伸夫教授が「血清アミロイドAは動脈硬化症を進展させる」とした動物実験結果を発表され、活発な討論が行われた。

上原俊介講師が歯科基礎医学会若手研究者助成コンペで最高得点

研究発表する上原講師

歯科基礎医学会の若手研究者助成コンペティションが、5月14日(土)に日本歯科大学生命歯学部九段ホールにて開催された。応募総数9件から書類選考を行った結果、4件の申請研究課題が選ばれた。本学からは口腔生化学講座の上原俊介講師が「破骨細胞の骨吸収におけるPkn3の役割の解明」というタイトルでコンペティションに参加し、当日参加した歯科基礎医学会代議員の採点により最高得点を得ることができ、研究費の助成が決定した。

2016年度科研費配分で21件新規採択、4年連続1億円を突破

文部科学省および日本学術振興会は、「2016(平成28)年度科学研究費補助金(科研費)」の交付内定を発表した。今回の交付内定では、基盤研究(A)、基盤研究(B)など総計21件が新規に採択された。また、全国総採択率が28%であるのに対して本学は45%という結果であった。これにより2016年度に配分される直接経費と間接経費の総額は1億1000万円を超える額となった。なお、昨年度(2015年)の統計によると、本学への科研費交付額は、歯学研究機関別(大学別)で11位(私立大学ではトップ)にランクされている。

永澤 栄教授が第67回日本歯科理工学会・学会賞を受賞

学会賞を受賞した永澤教授

4月16日(土)と17日(日)の両日、福岡歯科大学の主管により第67回日本歯科理工学会が九州大学医学部百年講堂において開催された。16日の総会席上では各種表彰が行われ、歯科理工学講座の永澤 栄教授が2015年度日本歯科理工学会・学会賞を受賞した。永澤教授は中部地方会長、英文誌編集委員、データベース委員長などを歴任し、全学会員において唯一人、学会発表賞を5回受賞したことなどの研究活動や学会への貢献が認められたもの。

第26回SKIPセミナーで溝口利英講師が招待講演

溝口講師(左)と松尾教授

2月10日(水)、第26回SKIP(Stem cell Knowledge and Information Portal)セミナーが慶應義塾大学・総合医科学研究センターの松尾光一教授を世話人として同大医学部で開催され、総合歯科医学研究所の溝口利英講師が「細胞系譜解析による生体内における骨髄間葉系幹細胞の同定と機能解明」という演題で招待講演を行った。SKIPセミナーは、幹細胞研究の情報を広く集約し、情報交換及び共同研究の促進を図ることを目的に、厚生労働省ヒト幹細胞情報化推進事業として慶應義塾大学が運営するもの。その活動の一環としてセミナーを定期的に開催し、幹細胞研究の動向を提供している。

本学と東京大学を中心に日本骨免疫ウインターセミナーを開催

ポスター発表を行った楊院生

1月28日(木)から3日間にわたり、ホテルマロウド軽井沢において第1回日本骨免疫ウインターセミナーが開催された。本セミナーは、かねてより本学と東京大学を中心として冬の長野県で開催されてきた「Osteoclast Biology Meeting」を発展させたもの。本学からは大学院第1学年の楊 孟雨院生が「PTHアナボリック作用に対する骨髄間葉系幹細胞の寄与」という演題で初めてのポスター発表を行った。その他、高橋直之教授、宇田川信之教授など9人がそれぞれ発表を行った。

2015

第81回松本歯科大学学会(例会)を開催

講演する丹羽先生

12月5日(土)、第81回松本歯科大学学会(例会)が開催された。特別講演には大阪大学大学院歯学研究科高次脳口腔機能学講座の丹羽 均教授をお招きし、「要介護高齢者の歯科治療-歯科麻酔医の役割」と題して講演いただいた。一般演題では歯科矯正学講座の荒井 敦助教、歯科放射線学講座の山田真一郎助教、歯科麻酔学講座の湯川譲治助手がそれぞれ発表した。なお、来年度からは最優秀発表者に贈られる学会賞を設ける予定。

大学院生の論文写真が医学雑誌の表紙に採用

医学雑誌を持つ高峰院生(左)と川上教授

大学院第4学年の高峰圭介院生(主指導教員:川上敏行教授)が共同研究の筆頭著者として投稿した論文「Notch as a Possible Cell Differentiation Factor in Pleomorphic Adenomas」が、医学雑誌『International Journal of Medical Sciences』(2015年12巻10号p.759-763)に掲載され、その結果を示す重要な画像が同誌掲載号の表紙写真として採用された。医学雑誌の表紙を飾るという名誉に高峰院生は「主として指導していただいた川上教授はもちろん、支えてくれた共同研究者の諸先生方に深く感謝いたします」と語った。

第32回日本障害者歯科学会学術大会で磯野員達助手が最優秀研究賞を受賞

受賞した磯野助手(左から2人目)

11月6日(金)から8日(日)にかけて、名古屋国際会議場において第32回日本障害者歯科学会学術大会が開催された。多くの研究成果が発表され注目されるなか障害者歯科学講座の磯野員達助手が最優秀研究賞に選ばれた。当講座からは昨年の三井達久助手に続き2年連続しての受賞となった。磯野助手の発表演題は「笑気吸入鎮静による疼痛時昇圧応答の抑制は心拍出量よりも末梢血管調節に依存する」。

米国骨代謝学会(ASBMR2015)で平賀 徹准教授、上原俊介講師が口演

上原講師(中央)

10月9日(金)から4日間にわたり、米国ワシントン州シアトルにおいて米国骨代謝学会(ASBMR2015)が開催された。毎年1500を超える発表演題が集まるなか約200人の査読者により上位140演題(約9%)が口演に選定される。本学からは口腔解剖学第2講座の平賀 徹准教授と口腔生化学講座の上原俊介講師が栄えある口演演題に選定され口頭発表を行った。さらに上原講師は優秀な演題であるプレナリー口演30演題(約2%)に選定された。

本学主催で日本補綴歯科学会東海支部学術大会を開催

座長の倉澤大会長(右)と講演する小笠原教授

日本補綴歯科学会東海支部学術大会が10月10日(土)・11日(日)の両日、本学歯科補綴学講座主催により松本市中央公民館(Mウイング)にて開催された。
10日(土)の市民フォーラムでは、「お口から始める健康長寿」をテーマに、大会長である歯科補綴学講座の倉澤郁文教授が「歯福・口福がもたらす健康寿命」と題し、健康寿命を延ばすために必要な栄養摂取と補綴治療について講演した。また、障害者歯科学講座の小笠原 正教授は「“口から食べる”を維持する」と題し、口から食べることの重要性を解説し、嚥下機能維持についてVE(嚥下内視鏡)を用いた動画により、具体的に″そば”が嚥下される様子を示して注目を集めた。開催地である松本市は「健康寿命延伸都市」宣言を行っており、経口摂取と健康寿命との関係について一般市民に理解を深めてもらう絶好の機会となった。

日本咀嚼学会第26回学術大会で大学院生が優秀ポスター賞を受賞

水口理事長(右)に祝福される祁院生

9月26日(土)、鶴見大学会館において日本咀嚼学会第26回学術大会が開催された。大学院第4学年の祁 君容院生は同学会における昨年度の学術大会で「外耳道内圧の変化と下顎運動の関係」と題してポスター発表し、優秀ポスター賞を受賞。今年度の総会において日本咀嚼学会の水口俊介理事長より表彰状が授与された。祁院生は「昨年の受賞がきっかけとなり、より研究を進め、今年も研究発表することができました。受賞は指導していただいた先生方のおかげです。優れた先生方のもとで研究させていただく自分は大変幸せです」と受賞の喜びを語った。

松本歯学41巻1号(2015.6)公開

松本歯学41巻1号(2015.6)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

第57回歯科基礎医学会学術大会で歯学部学生がポスター発表

研究成果を発表した高濱君

9月11日(金)から3日間にわたり、新潟コンベンションセンターにおいて第57回歯科基礎医学会学術大会が開催された。学部学生が発表するセッションでは、第3学年の髙濱 暁君が「Immunohistochemical localization of RELM-/Fizz2 during tooth development(歯胚発生過程におけるRELM-/FIZZ2局在)」についてポスター発表を行った。髙濱君は「講義や実習で学んだ知識をより深く考えることができ、研究成果に注目してもらえたことは良い経験になりました」と感想を語った。

本学主管で日本歯周病学会を開催

総会で挨拶をする吉成大会長

第58回秋季日本歯周病学会学術大会・総会は、本学歯科保存学講座・吉成伸夫教授が大会長を務め、同講座の主管により、9月11日(金)から13日(日)の会期で静岡県のアクトシティ浜松において開催された。大会テーマを「健康長寿延伸のための歯周病治療(高齢歯周病学の確立に向けて)」と題し、骨粗鬆症と糖尿病についてのシンポジウムや特別講演、高齢歯周病学確立に向けての討論などが活発に行われ、大盛況の学術大会となった。
オープニングのシンポジウムⅠでは、本学の口腔生化学講座・宇田川信之教授と歯科放射線学講座・田口 明教授が歯周病と骨粗鬆症についての最先端の知見を基礎と臨床の両面から報告し、朝早くにもかかわらず非常に多くの会員が熱心に聞き入っていた。

第57回歯科基礎医学会学術大会日韓シンポジウムで小林泰浩教授が講演

小林教授(左から4人目)と宇田川信之教授(右から2人目)

9月11日(金)から3日間にわたり、新潟コンベンションセンターにおいて第57回歯科基礎医学会学術大会が開催された。今回はじめて、歯科基礎医学会(JSOB)と韓国の歯科基礎医学会に相当するKorean Basic Dental Science Society Association(KBDSSA)との合同シンポジウムが企画され、総合歯科医学研究所の小林泰浩教授が「各種Wntシグナルの破骨細胞分化における役割」についてシンポジストとして講演を行った。2017年には本学が担当する第59回歯科基礎医学会学術大会において再び日韓合同シンポジウムが開催される予定。

第24回硬組織再生生物学会学術大会・総会で大学院生が優秀発表賞を受賞

指導教員の川上敏行教授(左)と大浦大会長(右)に祝福される髙谷助手

8月22日(土)、大阪歯科大学100周年記念館において第24回硬組織再生生物学会学術大会・総会が開催された。本学病院口腔診療部助手で大学院第4学年の髙谷達夫院生は「実験的咬合性外傷における歯周組織変化」と題して発表を行い、優秀発表賞(ポスター)を受賞した。同賞は学術大会で発表された研究内容の中から、とくに優れた発表に与えられるもので、大浦 清大会長(大阪歯科大学薬理学講座教授)より表彰状が授与された。
また、髙谷院生が筆頭著者として投稿した同研究の論文「Cytological Kinetics of Periodontal Ligament in an Experimental Occlusal Trauma Model」は、『International Journal of Medical Sciences』(2015; 12(7): 554-551. Doi:0.7150/ijms.12217)に掲載され、その論文中の図版が掲載号の表紙に採用された。同誌は基礎医学分野の研究をカバーしているIvyspring International Publisherから出版されている医学専門誌(IF:2.003)で、掲載論文はPubMED Central.でアーカイブされている。

第21回SCRP日本代表選抜大会で歯学部学生が発表

見学者に研究内容を説明する日置君

全国歯科大学・歯学部の学生代表が研究成果を英語で発表し、その成果とプレゼンテーション能力を競う日本歯科医師会/デンツプライ スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が8月21日(金)、東京の日本歯科医師会館で開催された。本学からは第5学年の日置崇史君が出場して「Does Conscious Effort to Increase Mastication Count Alter the Food Selection of Individuals?(咀嚼回数を意識すると食べ物の選択は変わるか?)」と題し、咀嚼回数と食品の選択および栄養素の関係を考察する内容の発表を行った。

2014年度学位論文公開

2014年度松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士学位論文(15件)を松本歯科大学リポジトリにて公開した。

金峯山牛伏寺骨堂跡の発掘調査で出土した歯を返還

埋葬後に合掌する学生たち

2012年に松本市内田の金峯山牛伏寺骨堂跡の発掘調査が行われ、大量のヒトの歯が出土した。寺側から本学に出土歯についての調査依頼があり、口腔解剖学第1講座の指導により学生有志が研究調査を行ってきたが、その出土歯が牛伏寺に返還され、7月24日(金)に納骨の法要が営まれた。
法要には同講座の金銅英二教授と調査研究に携わった学生のうち第5学年の塚崎敬介君、木村太一君、第6学年の長田憲幸君ら4人が参加。歯は骨壷に納められ、出土した骨堂跡に再び埋葬された。大谷宥秀副住職が読経し、参列した学生らは線香を手向けて合掌した。

第33回日本骨代謝学会学術集会で高橋直之教授が尾形賞を受賞

田中良哉学会理事長から尾形賞を受ける高橋教授(左)

7月23日(木)から25日(土)にかけて、新宿・京王プラザホテルにおいて総合歯科医学研究所長の高橋直之教授が大会長を務め、口腔生化学講座の宇田川信之教授を実行委員長として第33回日本骨代謝学会学術集会が開催された。高橋教授は、本学会において、骨代謝研究の指導的役割を担ってきた研究者に贈られる日本骨代謝学会「尾形賞」を受賞した。

総合歯科医学研究所セミナー・国際シンポジウムを開催

左から栗原教授、Roodman教授、Martin教授

7月21日(火)、創立30年記念棟「常念岳」の間において“New Horizon in Bone Biology”「骨代謝研究の新地平線」と題した総合歯科医学研究所セミナー・国際シンポジウムが開催された。第33回日本骨代謝学会学術集会での招待講演のため来日されたT. J. Martin教授(メルボルン大学)、G. D. Roodman教授と栗原徳善教授(共にインディアナ大学)を迎え、活発な討議が行われた。

第80回松本歯科大学学会(総会)を開催

質疑に答える嶋田勝光大学院生

7月11日(土)、第80回松本歯科大学学会(総会)が開催された。特別講演には日本歯科大学東京短期大学の小口晴久学長をお招きし、「歯科医療を取り巻く現状と将来展望―歯科医学教育のなお一層の発展を願って」と題して講演いただいた。一般演題は、教育の検討、臨床検討、基礎研究の3分野で構成され活発な討議が行われた。

第15回日本外傷歯学会で岡藤範正教授が2015年度優秀発表賞を受賞

古森選考委員長から祝福される岡藤教授(左)

7月11日(土)、北九州国際会議場において第15回日本外傷歯学会創立15周年記念大会が開催され、歯学部の岡藤範正教授が2015年度優秀発表賞を受賞した。同賞は日本外傷歯学会で学会発表を行い、同学会雑誌に論文掲載された学問および技術の発展・充実に寄与する優れた発表に与えられる。総会の席上で古森孝英選考委員長(同学会副理事長)より発表され、岡藤教授に記念プラークが授与された。
岡藤教授は学会発表の後、同学会雑誌に「実験的外傷ストレスを負荷した歯周組織変化 ―歯科矯正学的視点からの検討」(7巻1号、2011年)、「外傷ストレスに対する歯周組織に関する実験的歯間分離モデルによる検討」(10巻1号、2014年)と題し原著論文を発表し、その論文が独創性に富む優秀な研究として認定され、その功績を讃えられ今回の受賞となった。

第1回松本歯科大学眼科セミナーを開催

熱気に満ちたセミナー

7月4日(土)、創立30年記念棟「常念岳」の間において第1回松本歯科大学眼科セミナーが第322・323回大学院セミナーを兼ねて開催された。セミナーでは京都大学医学研究科ゲノム医学センター・疾患疫学ゲノム疫学解析分野の後藤謙元准教授による「加齢黄斑変性の成因にまつわる最新情報」、神戸市立医療センター中央病院眼科統括部長・先端医療センター眼科統括部長の栗本康夫先生による「iPS細胞を用いた網膜の再生医療」と題した講演が行われた。また、本学からは眼科学の太田浩一教授が「松本歯科大学病院における黄斑治療の現状」について報告した。

第1回日本骨免疫学会で溝口利英講師が最優秀演題賞を受賞

受賞した溝口講師(左)と高柳大会長

6月30日(火)から3日間、沖縄県宮古島のホテルブリーズベイマリーナにおいて第1回骨免疫学会が開催された。本学会理事長である高柳 広教授(東京大学大学院医学系研究科免疫学)を大会長として開催され、100人以上の参加者が最新の研究成果について熱く討論した。本学会は、ギリシャで各年開催されているオステオイムノロジー会議の日本版として、昨年日本骨免疫会議として発足したが、本年日本骨免疫学会として発展設立され100人以上の参加者が最新の研究成果について討論した。多数の演題発表があるなか、総合歯科医学研究所の溝口利英講師が栄えある最優秀演題賞を受賞した。

科学研究費補助金配分額が3年連続1億円を突破

科研費の推移(2012年~2015年)

2015年度科学研究費補助金(科研費)の交付内定が発表され、本学へは直接経費と間接経費あわせて1億1500万円を超える交付となった。採択件数も53件と昨年より10件以上増加した。今回、口腔細菌学講座の吉田明弘教授による「モロッコ王国における侵襲性歯周炎の発症を制御する因子の細菌・免疫学的解析」が基盤研究B(海外学術調査)として新規に採択された。また、総合歯科医学研究所長の高橋直之教授の大型プロジェクトである基盤研究S「骨代謝を制御するWntシグナルネットワークの解明」も継続採択されている。

第14回松本ボーンフォーラムを開催

溝口利英講師の講演で活発な討論

5月15日(金)と16日(土)の両日、信州大学医学部附属病院において第14回松本ボーンフォーラムが開催された。本研究会は、松本歯科大学、信州大学および成人病診療研究所(安曇野市)の3医療機関からの世話人により運営・開催されている。硬組織研究の拠点として特別講演、一般講演合計10演題が企画され、80人以上の研究者や医療従事者、学部・大学院の学生などが参加し討論が行われた。