コラム 病院最前線

第18回 安心・安全なインプラント治療を実施

「口腔インプラント科」

 口腔インプラントは、重度の歯周病や齲蝕(うしょく)などによって欠損した歯を補うため、顎骨に人工歯根を埋め込み、上部構造を装着することによって咀嚼や審美性の改善を図る治療方法で、近年の医療技術の進歩に伴い、予知性の高い欠損補綴法の一つとして認知されてきています。

 本学病院では1970年代後半より多くのインプラント治療が行われてきましたが、さらなる治療技術の向上と地域医療への貢献を目的として2007年2月に口腔インプラント科が開設されました。口腔インプラントは、歯科補綴学、口腔外科学、矯正歯科学、歯周病学、歯科放射線学など、広い領域の学識と高度な専門的技術を必要とする医療です。このため関連診療科の専門医と連携して治療方針を決定し、安全・安心なインプラント治療の実践に努めています。

 当科では、患者さんごとに異なるニーズを的確に把握し、各種治療法について十分な説明を行います。患者さんがインプラント治療を選択された後に医科用CT、歯科用CTによる画像検査結果にインプラント術前シミュレーションソフト(SimPlant®)を用いた画像解析を行います。これにより顎骨の状態、使用するインプラント体について正確な情報を得、種々の資料を基に関連診療科の専門医、歯科衛生士、歯科技工士を一堂に会した口腔インプラント科カンファレンスで個々の患者さんの診断、治療方針を総合的に決定する体制をとっています。

 従来のインプラント治療は骨質、骨量など顎骨の状態によっては適応症に制限がありましたが、最近の再生医学の発展により手術の適応が拡大されてきています。骨移植、骨再生誘導法(GBR)、上顎洞底挙上術、ソケットリフト、スプリットクレストなどの骨増生法を用いることで、インプラント治療によって多くの患者さんの口腔機能の改善に貢献しています。

 またインプラント治療に際しては口腔内環境の改善、維持を患者さんに理解していただくことに重点を置き、上部構造装着後、定期的にリコールを行い、患者さん、歯科衛生士、歯科医師のトライアングルのなかでより注意深くメインテナンスを心がけています。

 本学病院は、日本口腔インプラント学会が定める研修施設として認定されておりますので安全・安心なインプラント治療を行うとともに、患者さんから信頼していただける歯科医師の育成に努めたいと考えています。

(口腔インプラント科 科長 植田章夫)

 診療科のご案内はこちら

    • 術前口腔内(上左)術前X線(上右)術後口腔内(下左)術後X線(下右)
    • シミュレーションソフトを用いた画像解析画面

(Campus Today No.314 より)

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