研究概要

我々の主な研究テーマは、(1)腫瘍性病変、(2)粘膜病変、(3)⻭科⽤レーザーの病態⽣理学、(4)⼝腔の臨床検査などである。開講以来、⻭科⽤薬剤の⽣体反応あるいは⽣体材料の応⽤に関する研究、⼝腔あるいは全⾝諸臓器の病変で⾒られる異所性⽯灰化・⾻あるいは軟⾻形成性の病変を⾏ってた。近年は、⼝腔粘膜から発⽣する扁平上⽪癌、特にその前癌病変である上⽪性異形成症の⽣物学的特徴を研究し、客観的な診断法の確⽴を⽬指している。粘膜病変についても前癌病変との鑑別が問題となる為、⽐較検討対照とし、⼝腔扁平苔癬の診断基準の確⽴にも取り組んでいる。現在は、唾液腺腫瘍や⻭根膜組織、特にマラッセの上⽪遺残(Malasse epithelial rests)の⽣物学的特徴に関する研究にも着⼿している。また、臨床に活かす基礎的研究として、CO2レーザーを主とする⻭科⽤レーザーの病態⽣理に関する研究を⾏っている。なお、⼝腔の検査の実践として唾液検査や味覚検査などにも従事し、トランスレーショナルリサーチにも取り組んでいる。

研究に関するお知らせ

病理学講座では、⼈を対象とする医学・⻭科医学の研究をヘルシンキ宣⾔の趣旨に沿って⾏っております。これらの研究で⽤いられる試料等の取扱いについては、倫理審査委員会の厳正な審査を受け、試料等の提供者(または代諾者等)から⽂書で同意をいただくことを原則としております。しかし、すでに診療が終了して患者様が来院されないなどの場合には、⽂書による同意を受けられないことがあります。このような場合には、「試料等の研究⽬的利⽤に関する不同意書」を提出されていない患者様の試料等に限って(以下、便宜的に「包括同意」と表記します)、倫理審査委員会による厳正な審査、承認を経て利⽤することがあります。
「包括同意」に基づいて利⽤する試料等については、⽂書による同意を受けられないため、提供者あるいは代諾者に使⽤についてその都度お断りをすることが出来ません。しかし、試料等の使⽤を拒否することはいつでも可能です。そこで、倫理委員会で承認された研究の中で、包括同意に基づいて試料等を利⽤している研究の研究課題、研究内容、試料等が採取された時期などの情報を公表しています。ご⾃⾝の試料等が掲載されている研究に利⽤されている可能性があり、その利⽤を拒否したいなどの場合、お⼿数ですが下記にご連絡ください。

【お問い合わせ先】
松本歯科大学 病理学講座
〒399-0781長野県塩尻市広丘郷原1780
電話 0263-51-2093

沿革

当講座は⼤学開学2年後の1974年4⽉、枝 重夫教授が東京⻭科⼤学より赴任し開講された。その後、川上敏⾏先⽣、中村千仁先⽣他、多くのスタッフが研究・教育あるいは診断業務に尽⼒された。2000年6⽉から⻑⾕川博雅教授(現総⻭研・硬組織疾患病態解析学)が就任し、同年7⽉から病院の診断部⾨として検査科病理(現病理検査室)が新設され、検査技師が配属された。2021年4⽉から村上 聡教授が就任し、講座名も病理学講座に改称され、現在に⾄っている。

スタッフ紹介

教 授:村上 聡
講 師:嶋⽥ 勝光
臨床検査技師:⾼野 百合(病理検査室)

その他

病理(受託)検査

 当講座では病理検査室業務および病診連携の⼀環として、他の医療機関からの口腔病理検査(細胞診・組織診)依頼を承っております。固定液⼊り標本瓶も提供いたしますので、病理検査室(0263-51-2218)あるいは病理学講座(0263-51-2093)にお問い合わせください。
病理検査をご依頼際は検査申込書を下記よりダウンロードし、必要事項を記⼊のうえ検査検体と⼀緒に郵送してください。また、正確な診断のため臨床所見、既往など必要事項をできるだけ詳しく申込書にご記入ください。(2023年9月1日から事務手続きおよび料金を改定いたします。)